親が施設に入ったら、登記の住所も変える?2026年の住所等変更登記義務化

相続前の書類・名義確認

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親が施設に入る時は、着替え、薬、連絡先、郵便のことなど、確認がいくつも重なります。「実家の登記に書いてある親の住所」までは、思い浮かびにくいかもしれません。

ただ、2026年から、不動産の所有者の住所・氏名の変更登記が義務化されています。この記事では、親の住所が変わった時に、実家の登記で確認することを整理します。

施設への入居だけで、全員に同じ登記手続きが必要になるという話ではありません。まず、親が登記上の所有者か、住所が変わっているかを分けて確認します。

2026年4月1日から、住所等変更登記が義務化された

不動産の所有者として登記されている人は、住所・氏名が変わった場合、変更日から2年以内の変更登記が必要です。2026年4月1日より前の未登記の変更は、2028年3月31日までが期限です。法務省「住所等変更登記の義務化に関するQ&A」

これは、亡くなった親の不動産を相続人の名義へ変える「相続登記」とは別の話です。親が存命でも、登記されている住所・氏名に変更があれば確認が必要になります。

施設への入居と、住所の変更を同じものにしない

この記事の入口は、次の三つです。

  1. その不動産の登記上の所有者は誰か
  2. 登記には、所有者のどの住所が記録されているか
  3. その人の住所は、いつ、どのように変わったか

施設で暮らし始めた日だけを見て期限を決めるのではなく、住民票などの状況と登記内容を確認します。短期の入院や一時的な滞在など、住所が変わったか判断に迷う場合は、法務局や司法書士に事情を伝えてください。

子の家への転居、長期の施設入居、以前の引っ越しで変更を忘れていた場合など、確認のきっかけはそれぞれです。「施設に入る人向けの特別な制度」ではない点も押さえておきましょう。

母が施設に入り、実家には誰も住まなくなる家庭なら

説明のための架空例です。実家は母の名義。母は施設へ転居し、住民票の住所も変更しました。娘さんは郵便の転送を済ませ、きょうだいへ施設の連絡先を伝えました。

この時、家族のチェックリストにもう一行加えます。「実家の登記にある、母の住所を確認する」。

郵便、銀行、保険、住民票、不動産の登記は、それぞれ確認先が違います。一か所の住所を直したことで、すべての手続きが終わったと決めないことが大切です。

実家を売るかどうかは、この確認とは別に話せます。「住所の確認をする=実家を手放す」と親に伝わらないよう、目的を分けて説明しましょう。

スマート変更登記には、事前の申出が必要

個人の場合、法務局に「検索用情報の申出」をすることで、スマート変更登記を利用できます。法務局が住所等の変更を確認し、本人の了解を得て職権で変更登記をする仕組みです。申出は無料ですが、利用には条件があります。法務省「スマート変更登記について」

「住民票を移したら、何もしていなくても登記が全部直る」という理解ではありません。申出済みか、対象の不動産が整理されているか、本人への連絡を受け取れるかを確認します。

また、申出をしたその日に、登記の住所が変わるわけではありません。2026年9月30日現在の法務省Q&Aでは、個人について実際に変更登記がされるのは2026年12月中旬以降と案内されています。急ぎの売却などで住所変更が必要な場合は、自分での申請について相談する必要があります。法務省Q&A「個人のスマート変更登記」

同じQ&Aでは、2026年度の個人の対象は2026年3月31日までに検索用情報の登録が完了した人とされています。それ以降に登録が完了した人の通知は2027年度以降です。今から申し出る人も、年内の完了を前提に予定を組まないでください。

制度の案内は更新されることがあります。通知時期やご自身の対象条件は、手続きをする時点の公式案内で確かめてください。

家族が残すメモは「状態」と「次の確認先」

  • 登記上の所有者を確認したか
  • 登記上の住所を、何の資料で確認したか
  • 住所が変わった時期は確認済みか、まだ不明か
  • 検索用情報の申出を済ませたか、未確認か
  • 本人に届く連絡を確認できる状態か
  • 次に法務局・司法書士へ聞きたいこと

本人の意思を確認できない場合や、家族が代理で進めたい場合は、先に手続きの相談をしてください。家族が本人の名前で勝手に申出をするためのメモではありません。

「妹が確認する予定」だけで終わらず、「来週、申出済みか母に確認する」のように次の一歩を残すと、何度も同じ話を聞き直す負担を減らせます。

実家の管理の話も、登記とは別に残しておく

住所の確認をしても、実家の換気や郵便物、庭の手入れを誰がするかは決まりません。逆に、月一回見回りをしていても、登記の手続きが済んだとは限りません。

同じ紙に全部を詰め込むより、「登記の確認担当」と「家の管理担当」を分けると、家族の役割が見えやすくなります。家を空ける期間が長くなるなら、まず実家が空き家になった時に困りやすいことを確認してみてください。

片付けも急がなくて構いません。親が戻る希望や残したい物を確認してから、家族で作業範囲を考えます。

今日やることは、古い登記の書類があるか聞くこと

引っ越しの連絡先を整理しているんだけど、実家の登記に書いてある住所も確認したいんだ。前に取った書類は残っている?

書類が見つからなければ、その場で家族の記憶を頼りに結論を出さず、取得方法や確認先を調べるところからで構いません。

分かったことをメモに残す

たとえば、「登記の住所は未確認」「来週、母に古い書類の場所を聞く」。確認済みかどうかと、次の担当を分けて残すと、施設への入居準備と混ざりにくくなります。

無料の「親の見えない契約・財産 入口メモ」は、一枚目が有料サービス、二枚目が不動産と登記の確認用です。登記の住所の確認には、二枚目を使います。分からない欄は「未確認」のまま、次に誰へ聞くかを一つ残してください。

本人と相談した範囲で使ってください。暗証番号、パスワード、本人確認書類の番号、登記識別情報の符号は書きません。申請書や委任状ではなく、家族が確認先を見失わないためのメモです。

医療や家族の連絡先も整理したい時は、無料の20項目チェックシートも使えます。

次に確認すること

制度情報の確認日:2026年10月13日。一般的な情報整理の記事です。個別の義務・期限・代理手続きは法務局や司法書士にご確認ください。